データマイニングとは?16種類のマイニング手法とツールによる最適化

データマイニングとは、企業がビジネスニーズに関連する知見を得るために、データ内のパターン検出を行うためのプロセスを指します。 これはビジネスインテリジェンスとデータサイエンスの双方にとって不可欠です。 企業が生データを実用的な知見に変換するのに利用できる、データマイニング手法は数多く存在します。 その中には、最先端の人工知能からデータプレパレーションの基本まで、あらゆるもの含まれており、どちらもデータへの投資の価値を最大化するための鍵となります。

企業は現在、かつてないほど多くのデータにアクセスできるようになりました。 しかし、大量の構造化データや非構造化データを理解して全社的な改善を行うのは、情報の量が膨大であるために非常に困難です。 この課題に適切に対処しない限り、あらゆるデータの恩恵は低下してしまいます。

今回は16種類のマイニング手法、データマイニングツールによる最適化を紹介します。データマイニング手法・ツールについて学び、データへの投資の価値を最大化しましょう。

16種類のデータマイニング手法

  1. データのクリーニングとプレパレーション
  2. パターン追跡
  3. 分類
  4. アソシエーション
  5. 外れ値の検出
  6. クラスタリング
  7. 回帰
  8. 予測
  9. シーケンシャルパターン
  10. 決定木
  11. 統計的手法
  12. 視覚化
  13. ニューラルネットワーク
  14. データウェアハウス
  15. 長期記憶プロセス
  16. 機械学習と人工知能

1. データのクリーニングとプレパレーション

データのクリーニングとプレパレーションは、データマイニングプロセスの非常に重要な部分を占めています。 生データはクレンジングして整形を行うことで、さまざまな分析に使えるようにする必要があります。 データのクリーニングとプレパレーションには、データモデリングや変換、データ移行、ETL、ELT、データ統合、集計のさまざまな要素が含まれます。 このステップは、データの基本的な特徴や属性を把握し、最善の利用方法を判断する上で欠かせません。

データのクリーニングとプレパレーションがビジネスにもたらす価値は、説明するまでもありません。 この最初のステップがなければ、企業にとって意味のないデータや、品質の観点で信頼できないデータとなります。 企業は自社のデータを信頼し、データの分析結果と結果から生じたアクションも信頼できる必要があります。

このステップは、データクオリティと適切なデータガバナンスを実現するためにも欠かせません。

2. パターン追跡

パターン追跡は、基本的なデータマイニング手法の1つです。 データの傾向やパターンを特定および監視して、ビジネスの成果に関するインテリジェントな推論を行います。 たとえば、企業が一度売上データの傾向を明らかにすれば、その知見を活用するための活動の土台が作られます。 もし、ある集団に対する特定の製品の販売数が他よりも多いことがわかった場合、企業はその知見を利用して同じような製品やサービスを開発したり、あるいは単にその集団向けに製品在庫を増やしたりすることが可能です。

3. 分類

分類のデータマイニング手法には、異なる種類のデータに関連するさまざまな属性の分析が含まれます。 各種データに対する主な特性が明らかになったら、関連のあるデータをカテゴリ分けまたは分類できます。 分類は、たとえば企業が個人を識別できる情報を保護したり、文書から削除したりしたい場合に、その情報を特定するために極めて重要です。

4. アソシエーション

アソシエーションは、統計に関連するデータマイニング手法です。 特定のデータ(またはデータ内で見つかったイベント)が、他のデータやデータ駆動イベントと関連していることを示します。 これは機械学習における共起の概念に似ています。共起では、あるデータ駆動イベントの可能性が別のイベントの存在によって示されます。

統計的な相関の概念もまた、アソシエーションの概念と似ています。 相関とは、データ分析の結果、2つのデータイベントの間の関連性、たとえばハンバーガーの購入者は頻繁にフライドポテトも購入しているという事実が示された場合に当てはまります。

5. 外れ値の検出

外れ値の検出では、データセット内の異常なデータを特定します。 データの逸脱を発見できれば、企業はそうした異常値の発生理由を理解して将来の発生に備えることが容易となり、ビジネス目標を最大限に達成できるようになります。 たとえば、クレジットカード決済システムの使用量が1日のある時間に急増した場合、企業は事象が発生した理由を明らかにすることで情報を活用して、残りの時間の売上を最大化できます。

6. クラスタリング

クラスタリングは、視覚的なアプローチによってデータを理解するデータマイニングの分析手法です。 クラスタリングメカニズムでは、さまざまな種類のメトリクスに関連するデータの分布を、グラフィックを使用して示します。 クラスタリング手法では、データの分布を色分けして表示する方法も用いられます。

クラスター分析を使用する際には、グラフによるアプローチが最適です。 特にグラフとクラスタリングを使用することで、ユーザーはデータの分布を視覚的に確認して、ビジネス目標に関する傾向を明らかにできます。

7. 回帰

回帰の手法は、データセット内の変数間の関連性を特定するのに役立ちます。 関連性は、因果関係の場合もあれば、単なる相関関係の場合もあります。 回帰は、変数がどのように関連しているのかを明確化する、わかりやすいホワイトボックス的な手法です。 回帰の手法は、予測やデータモデリングの局面で使用されます。

8. 予測

予測は、データマイニングの非常に強力な部分を占めており、分析を構成する4つの要素のうちの1つにあたります。予測分析では、現在または過去のデータから見つかったパターンを使用して、それを未来へと延長します。 したがって、企業は自社のデータ内で次に発生する傾向に関する知見を得ることができます。 予測分析の利用には、いくつかの異なるアプローチがあります。 比較的高度なものとしては、機械学習人工知能があります。 しかし、予測分析では必ずしもこうした手法に依存する必要はなく、より単純なアルゴリズムによって容易に行うこともできます。

9. シーケンシャルパターン

このデータマイニングの手法は、順番に行われる一連のイベントを明らかにすることに焦点を置いています。 特に取引データをマイニングする場合に有用です。 この手法では、たとえば顧客が最初にある靴を購入した場合に、その後に購入する可能性が高い衣料品はどれかを明らかにすることができます。 シーケンシャルパターンを理解することで、企業は顧客にさらに商品を推奨でき、売上の促進につながります。

10. 決定木

決定木は、企業の効果的なデータマイニングを可能にする特別な予測モデルの一種です。 技術的には、決定木は機械学習の一部ですが、その非常に単純明快であるという性質のため、ホワイトボックス型の機械学習手法として広く知られています。

決定木を使用すると、ユーザーはデータの入力が出力にどう影響するかを明確に理解できます。 さまざまな決定木モデルが組み合わされると、ランダムフォレストとして知られる予測分析モデルが形成されます。 複雑なランダムフォレストモデルは、入力を基にして常に簡単に出力を理解できるとは限らないため、ブラックボックス型の機械学習手法と見なされます。 しかし多くの場合、このアンサンブルモデリングの基本的な形式は、決定木を単独で使用するよりも正確です。

11. 統計的手法

統計的手法は、データマイニングプロセスに含まれるほとんどの分析の中核となっています。 各種の分析モデルは統計的な考え方に基づいており、具体的なビジネス目標に適用できる数値を出力します。 たとえば画像認識システムでは、ニューラルネットワークがさまざまな測定基準に基づく複雑な統計を使用して、写真が犬か猫かを判定します。

統計モデルは、人工知能を構成する2つの主な領域のうちの1つに相当します。 いくつかの統計的手法のモデルは静的ですが、機械学習を含むその他のモデルは時間とともに向上します。

12. 視覚化

データの視覚化は、データマイニングにおけるもう1つの重要な要素です。 人が見ることのできる感覚的認識に基づいて、ユーザーにデータに対する知見をもたらします。 今日のデータの視覚化は動的で、リアルタイムのストリーミングデータに適しており、色分けされた描写によってデータのさまざまな傾向やパターンを明らかにします。

ダッシュボードは、データの視覚化を使用してデータマイニングの知見を発見するための強力な方法です。 企業はさまざまなメトリクスに基づくダッシュボードを作成することで、単に統計モデルの数値的な出力を使用するのではなく、視覚化を用いてデータ内のパターンを視覚的に強調表示できます。

13. ニューラルネットワーク

ニューラルネットワークは、AIやディープラーニングで多く用いられる、特定の種類の機械学習モデルです。 人間の脳におけるニューロン(神経細胞)の働きに似た異なる層を持つことにちなんで名づけられたニューラルネットワークは、今日利用されている機械学習モデルの中でも精度の高いものの1つです。

ニューラルネットワークはデータマイニングにおける強力なツールとなりえますが、一部のニューラルネットワークモデルは驚くほど複雑であり、どのように出力が決定されるのかを理解することが困難なため、企業は利用するにあたって注意が必要なツールでもあります。

14. データウェアハウス

データウェアハウスは、データマイニングプロセスの重要な部分を占めています。 従来よりデータウェアハウスは、リレーショナルデータベース管理システムの構造化データの保存に利用されており、ビジネスインテリジェンス、レポート、基本的なダッシュボード機能により分析が可能でした。 現在ではクラウドデータウェアハウスや、Hadoopのような半構造化データや非構造化データを保存するデータウェアハウスが存在します。 従来、データウェアハウスは過去のデータに使用されていましたが、詳細なリアルタイムのデータ分析を可能にする最新のアプローチも数多く生まれています。

15.長期記憶プロセス

長期記憶プロセスとは、データを長期間にわたって分析する機能のことを指します。 データウェアハウスに保存された過去のデータは、この目的に適しています。 企業が長期間にわたって分析を行うことができる場合、そうでない場合には検出が困難な非常に小さなパターンも特定できます。 たとえば、数年間にわたる自然減を分析することで、企業は融資の解約を減少させることのできる、わずかなヒントを見つけられるかもしれません。

16. 機械学習と人工知能

機械学習と人工知能(AI)は、データマイニングにおける最も先進的な発展の成果であると言えます。 ディープラーニングのような高度な形式の機械学習は、大規模データを扱う際に非常に正確な予測を可能にします。 その結果、コンピュータビジョンや音声認識、自然言語処理を使用する洗練されたテキスト分析のような、AIの展開によるデータ処理に役立ちます。 こうしたデータマイニング手法は、半構造化データや非構造化データから価値を見つけ出すのに適しています。

データマイニングツールによる最適化

データマイニング時にはさまざまな手法が用いられるため、適切なデータマイニングツールを使用することで分析を最適化することが重要です。 通常、これらの手法を適切に実行するには、複数の異なるツールまたは、包括的な機能を備えたツールが必要となります。

企業はRやPython、Knimeなどのデータサイエンスツールを使用して機械学習分析を行うことができますが、データガバナンスツールによってコンプライアンスと適切なデータリネージを確保することが重要です。 さらに企業は、分析を行うためにクラウドデータストアなどのリポジトリを使用する必要があるだけでなく、ダッシュボードやデータの視覚化を使用してビジネスユーザーが分析結果の理解に必要な情報を得られるようにする必要もあります。 これらすべての機能を備えたツールも利用できますが、自社のビジネスニーズに適した1つまたは複数のツールを見つけることが重要です。

クラウドとデータマイニングの未来

クラウドコンピューティング技術は、データマイニングの成長に大きな影響を与えました。 クラウド技術は、今日ほとんどの企業が取り扱っている、高速で大量の半構造化データや非構造化データに非常に適しています。 弾力性のあるクラウドのリソースは、ビッグデータのニーズに合わせて容易にスケーリングできます。 その結果、クラウドではさまざまな形式のデータを多く保持できるので、そのデータを知見に変えるためのデータマイニングツールもより多く必要になります。 さらに、AIや機械学習などの高度なデータマイニングは、クラウド内のサービスとして提供されます。

将来のクラウドコンピューティングの発達により、さらに効果的なデータマイニングツールの需要が引き続き喚起されることは間違いありません。 今後5年以内に、AIと機械学習は現在よりもさらに一般的となるでしょう。 日々、データの成長速度が指数関数的に増大していることを考えると、ビジネス価値を得るためにデータを保存して処理するのに最も適した場所はクラウドだと言えます。 結果として、データマイニングのアプローチは現在よりもさらにクラウドに依存することになるでしょう。

データマイニングを始める

企業のデータマイニングは、必要なツールにアクセスするところから始まります。 データマイニングのプロセスはデータ取得の直後から始まるため、データマイニング分析に必要となる異なるデータ構造に対応するデータプレパレーションツールを見つけることが重要です。 また、上で説明した多くの手法を用いてデータを調査するために、データを分類する必要もあります。 この点に関しては、さまざまな予測や機械学習/AI技術と同様に、最新型のデータウェアハウスも有用です。

こうした各種データマイニング手法のすべてを1つのツールで行うことは、企業にとってメリットとなります。 異なるデータマイニング手法を1か所で実行することにより、企業は信頼できるデータに必要となる、データクオリティとデータガバナンスの対策を強化できます。

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