MySQLとは?知っておくべきこと
MySQLは、現代のビッグデータエコシステムにおいて最も広く認知されているテクノロジーの1つです。しばしば最も人気のあるデータベースと呼ばれ、現在では業界を問わず広く有効活用されているため、企業のデータに携わる人や一般的なIT担当者であれば、少なくともMySQLの基礎に習熟している必要があるのは明らかです。
MySQLを使用すると、リレーショナルシステムに不慣れな方でも、高速でパワフルかつセキュアなデータストレージシステムを即座に構築できます。また、MySQLのプログラム的な構文とインターフェイスは、その他の有名なクエリ言語や構造化データストアの広大な世界への入門にも最適です。
MySQLとは?
MySQLはOracleによって開発されている、構造化クエリ言語(SQL)に基づくリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。
データベースとは構造化されたデータの集まりのことです。単純な買い物リストから、写真のギャラリー、企業ネットワークにおける膨大な量の情報の保管場所に至るまで、その種類は多岐にわたります。特にリレーショナルデータベースと言った場合、データを収集し、リレーショナルモデルに従って整理するデジタルストアを指します。このモデルでは、テーブルは行と列で構成され、データ要素間の関係はすべて厳格な論理構造に従います。RDBMSとは一言で言うと、こうしたデータベースを実際に実装、管理、照会するために使用されるソフトウェアツールセットのことです。
MySQLは、最も有名な多くのソフトウェアスタックにおいて、顧客向けWebアプリケーションから強力でデータドリブンなB2Bサービスに至るまで、あらゆるものの構築と維持管理に不可欠となっています。そのオープンソースの特性、安定性、豊富な機能セットが、Oracleによる継続的な開発およびサポートとも相まって、FacebookやFlickr、Twitter、Wikipedia、YouTubeといったインターネットに欠かせないサービスでMySQLがバックエンドに採用されています。
Current Developer | Oracle Corporation |
Original Developer | MySQL AB (Then, briefly, Sun Microsystems) |
Current Stable Release | 8.0.16 (on April 25, 2019) |
Original Release | May 23, 1995 |
License | GPLv2 (or proprietary) |
Primary language | C and C++ |
Website | https://www.mysql.com/ |
Open-source repository | https://github.com/mysql/mysql-server |
MySQLを理解するための4つのポイント
MySQLは多くの業界で最も広く利用されているため、ビジネスユーザーは新人Web管理者から経験豊富なマネージャーまで、その主な特徴について理解するよう努めるべきです。この技術を使うべきかどうかを判断し、関連するコミュニケーションを効果的に行うために、MySQLの基本的な機能、構造、哲学、ユーザビリティを確認するところから始めましょう。
MySQLは互換性に優れる
MySQLは多くの場合、インターネットアプリケーションやWebサービスと組み合わせて使用されますが、他のテクノロジーやアーキテクチャーとも幅広い互換性を持つように設計されています。RDBMSは、多くのLinuxディストリビューションやmacOSなどのUnixベースのOSおよびWindowsを含む、すべての主要なコンピューティングプラットフォーム上で動作します。
MySQLはクライアントサーバー型のアーキテクチャーを採用しているため、さまざまなバックエンドや異なるプログラミングインターフェイスに対応できます。データを直接MySQLから派生物(MariaDBなど)や他のほとんどのRDBMSに移行できるのは、アーキテクチャーや言語が似ているためです。
Oracleおよびサードパーティ製の所定の移行ツールを使用することにより、MySQLはオンプレミス向けかクラウドベースかを問わない、膨大な汎用ストレージシステムとの間でもデータを移動できるようになります。MySQLは仮想化環境に展開でき、分散型と集中型のどちらも可能であるだけでなく、学習目的やテスト、小規模アプリケーション用としてポータブルのスタンドアロンライブラリとして存在させることもできます。
こうした他のシステムやソフトウェアとの互換性に優れていることにより、MySQLは多くの状況で、特に実用的なRDBMSの選択肢となります。
MySQLデータベースはリレーショナル
リレーショナルデータベースを他のデジタルストレージとは異なるものにしている最大の要因は、大まかに言うとデータの編成方法です。MySQLなどのデータベースでは、レコードは高度に体系化された複数の独立したテーブル内に格納されており、すべてを1つのリポジトリに内包する方法や、半構造化または非構造化ドキュメントの集合とする方法とは対照的です。
そのため、RDBMSではデータの検索や情報の更新などのアクションや、集計などのより複雑なアクションをさらに最適化できます。データベースのすべてのコンテンツに対して論理モデルが定義され、たとえば個々の列に許容される値、テーブルやビューの特性、2つのテーブルのインデックスの関連付け方法などが記述されます。
リレーショナルモデルが人気を保っているのには、いくつかの理由があります。ユーザーは直感的かつ宣言型のプログラミングを使えるようになります。これは基本的に、結果に至るまでの手続きの各ステップを綿密にコーディングするのではなく、データベースに対してどんな結果が欲しいのかを英語に近い、あるいは少なくとも英語として理解できる言語で伝えるものです。この方法では、多くの作業をRDBMSおよびSQLエンジンに移行させることができ、論理ルールの実行と貴重なリソースや工数の削減に有利です。
MySQLはオープンソース
OracleのオープンソースMySQLコードベースは、あらゆる個人や企業が自由に使用、変更、公開、拡張できます。ソフトウェアはGNU General Public License(GPL)の下でリリースされています。
MySQLのコードを商用アプリケーションに統合または含める必要がある場合(またはオープンソースソフトウェアが優先されない場合)、企業はOracleから商用ライセンスのバージョンを購入できます。
これらのオプションもまた、企業がMySQLを使用する場合の柔軟性を高めるものです。MySQLはオープンソースのリリースであることから、公開された、コミュニティベースの性質を持っており、ドキュメントとオンラインサポートの豊かな文化が構築されているのと同時に、維持される機能や新たに開発される機能が現在のユーザーのニーズから乖離することがありません。
MySQLは使いやすい
MySQLのリレーショナルな性質と、それに伴う厳格なストレージ構造には制限が多いように感じるかもしれませんが、テーブル型の枠組みはおそらく最も直感的で、最終的に素晴らしいユーザビリティをもたらします。
実際のところMySQLは、論理、数値、英数字、日付、時間といった豊富な標準の型から、より高度なJSONや地理空間データに至るまで、できる限り幅広い種類のデータ構造に対応することにより、多くの歩み寄りを行っています。単なるデータ型や広範囲に及ぶ内蔵の機能セットにとどまらず、MySQLのエコシステムには各種ツールも含まれており、サーバー管理からレポート作成、データ分析まであらゆる作業を簡単にします。
RDBMSが包括的なアーキテクチャーを有していても、ユーザーは変わることなくデータを望みどおりにモデル化してコード化するためのMySQLの機能を見つけることができます。MySQLは依然として、学習と使用が最も簡単なデータベースの1つです。
SQLとMySQL:その違いは?
リレーショナルモデルは、Edgar F. Codd氏が1970年に発表した論文で初めて示されました。その少し後に、このモデルに関連する最初の商用プログラミング言語の1つであるSQLがIBMによって開発されました。SQLは長期にわたって最も広く使用されたデータベース言語となり、1986年にANSI標準に、その翌年にはISOに採用されました。
SQLは4つのサブ言語で構成され、それぞれ異なる範囲を担当しています。
- DQL:データクエリ言語(DQL)は最も身近なもので、データベースに対するクエリの実行と、格納されているデータからの情報の抽出に使用されます。たとえば、列内の最大値を取得して返すなどです。
- DDL:データ定義言語(DDL)は、データベースの特定の構造とスキーマをコード化するために使用されます。テーブルの作成やデータ型の定義などがその例です。
- DCL:データ制御言語(DCL)は、データベースにアクセスするユーザーやプロセスのアクセス、認証、権限を定義します。管理者権限の付与やユーザーの権限を読み取り専用に制限することなどが含まれます。
- DML:そして最後のデータ操作言語(DML)は、既存のデータベースの構成要素に変更を加える際に使用するもので、レコードの挿入、セルの値の更新、データの削除などが可能です。
スウェーデンの企業であるMySQL ABが、1995年に最初のMySQLをリリースしました。リレーショナルシステムが最初に隆盛を迎えたころに作られた多くのデータベースソフトウェアと同様に、MySQLもまたオリジナルのSQL標準を単に拡張し、より多くの機能やサポート、手続き型のプログラミング、コントロールフローの仕組みなどを追加して作られました。
クラウドとMySQLの未来
MySQLは元々、大規模なデータベースを既存のデータベースソフトウェアよりも高速に管理することを目的として開発されました。要求水準の高い操作や取引、実稼働環境で数十年にわたり使用されてきたMySQLは、コンピューティングやストレージのクラウドへの移行と歩調を合わせて進化してきました。
通常MySQLは個々のマシンにインストールされますが、現在では分散型の用途にもかなりのレベルで対応しており、多くのクラウドデータプラットフォームに組み込まれています。
現在市場にある多くのデータストレージおよびデータ処理ソリューションと比較すると、MySQLは相対的に古い技術ですが、その人気や実用性は全く衰える気配を見せていません。実のところMySQLは近年、そのスピードと信頼性、使いやすさ、幅広い互換性のために、より専門的な新しいストレージシステムと比較しても復活傾向にあると言えます。
MySQLを始める
MySQLは人気があり、長年にわたって利用されてきたというだけでなく、十分な機能を備えた現代的なリレーショナルデータベース管理ソフトウェアです。あらゆる企業がミッションクリティカルな企業データを保存して処理するために、MySQLを主要な顧客向けアプリケーションのバックエンドとして、そして定評のある強力なWebソフトウェアスタックの一部として利用しています。
既にビジネスでMySQLを使用している場合でも、あるいは新規システムや移行先のシステムとしてこのRDBMSを検討している場合でも、データ統合の重要性についてはどれだけ強調してもし過ぎることはありません。Talendでは、データエコシステムをエンドツーエンドで管理するための包括的なアプリケーションスイートを提供しており、企業があらゆるシステムからファストデータや信頼できるデータを収集して、変換、統治、共有できるようにします。Talend Data Fabricを今すぐお試しになり、シームレスなデータエコシステムを体験しましょう。